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 実力の早期発見が入試を制する!    バックナンバー

 広島市の南区の翠中、楠那中は定期テストを廃止している。定期テストとは中間テスト、期末テストのことである。その代わりに単元別テストの実施がある。単元別テストとは文字通り単元ごとにテストを行う。

 東京ではすでに実施しており、成果が出ているので広島のいくつかの中学校で実施するようになったと聞いている。
単元別テストなので、範囲の狭い中間テスト、期末テストよりさらにその範囲は狭くなる

 
例えば、中1の理科で言えば、顕微鏡の見方だけでのテストもある。だから、多くの生徒が一定の得点は期待できる。しかし、その単元の終わった後で、ほんの1か月後にできるかどうかはまったく別問題である。

 つまり、
範囲が狭すぎるため、小学校時代と同じ弊害が伴う。分かりやすい例で言えば、中2の数学で式の計算とすぐその後の方程式では混同する生徒が多い
 例題1  を計算せよ。

  この問題では単なる式の計算であるため、分母をなくしてはいけない。

  文字が入らない とまったく同じであるが、文字が入らない

問題では、分母を取る生徒はほとんどいない。
 例題2 を解け。

 この問題は方程式のため、両辺を15倍して分母をなくしてもよい。なぜなら
方程式はイコールで結ばれているため、片方を15倍して、もう一方を15
倍しても成り立つ。しかし、この違いを理解できていない生徒は多いのである。

 上記は単なる1例に過ぎないのだが、
範囲が極めて狭く区切られた単元別テストを繰り返していて、本当に実力がつくのかという危惧を抱かざるを得ない。

 小学生がよく言うセリフがある。「まとめのテストのときは、『割り算のまとめ』なら何も考えず割り算、『掛け算のまとめ』なら、何も考えず掛け算をしておけばいい」。まさしくその通りで、これは少し気の利く生徒の行動パターンである。

 つまり問題を理解して、これがどの演算を使うのかを思考しているわけではない。
極論すれば、何も考えずに問題のタイトル通りの計算をしているだけである。

 余りにも範囲の狭いテストはこのような弊害を伴う。もちろん、単元別テストより範囲が広い中間テスト、期末テストでも、ある単元では途中で区切るために、全体を把握しにくい弊害がある。もちろん、どのテストでもすべての条件をクリアするテストは存在しないのも事実である。


 
単元別テスト・中間テストの弊害を補うため、広島市の多くの中学校「自己発見ナビ」という実力テストを実施している。しかし、いくら、欠点を補うテストを実施しても、このテストの結果を正しく理解しているかどうかによって、その効果は大きく異なる。

 淳風塾の卒業生にはすべて結果を見せてもらっているが、実際問題として、これらのテストの結果を正しく理解している生徒は極めて少なかった。平均点より上か下か、が見るポイントの重点である。
500満点で得点範囲別の構成比を計算すれば、学校での大まかな順位がわかる

 しかし、こういう捉え方をする生徒はほぼいなかった。公立高校入試が実力重視に舵を切った現在、早期に自分の現状の力を把握することが、入試を有利に進めることになる。2022年3月までは、中間テスト・期末テストでは、六校は大まかに言えば400点が目安の一つになっていた。

 
2023年以降の受験生たちは、今後は何を基準にして六校を目指すのであろうか?実力は一朝一夕に身に付くものではない。気づいたときには「時、すでに遅し」とならないように!

 
淳風塾は創業以来、毎月実力テストを実施している。中3の8月以降は特に「公立そっくり模試」という、公立入試の形式、レベルそっくりの模擬試験を実施している。これにより現状の実力が常に把握できる。さらにその結果をコメントを添えて、保護者に送付している。それが変わらぬ淳風塾の基本方針である。


2022年07月