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 「マスコミはどうしたのだろう?」  バックナンバー

 静岡県知事選での上川陽子外務大臣の発言が問題となった。TVで「私たち女性が生まずして何が女性でしょう」との発言である。私はこの報道を見て、上川陽子氏の総理大臣の目がなくなったと感じた。

 
静岡県知事選では自民党が推薦した大村慎一氏と立憲民主党と民主党推薦の鈴木康友氏の激戦となっていた。大村氏の応援演説での上川大臣の上記の発言が問題となったのである。

 ところが、週刊文春の「夜ふけのなわとび」の林真理子氏の文を読んで、私はトンデモナイ勘違いであったことを知った。
上川陽子氏の発言の『大きな、大きな命をあずかる仕事であります。今、一歩を踏み出していただいた①この方を』の部分を省略し、「私たちが②生まずして何が女性でしょう」を切り取ってのマスコミ報道である。

 ①「この方」とは大村氏を指すのは誰も疑いがない。
 
②について「生まずして」だが、誰をor何を生むのかを考える。
 ア、赤ちゃん イ、大村氏の県知事当選   以上の2つが考えられる。
これを小学生に聞けば、ほとんどの生徒がイを選択するだろう。小学生でも分かる文の意味がマスコミ人には理解できないのであろうか?
まったくもって摩訶不思議である。

 
マスコミに携わる人たちは小学生以下の文の読解力しかないのだろうか?私はそうとは思えない。一定以上の知識、読解力を有した人たちであると認識している。「大きな命をあずかる仕事であります。今、一歩を踏み出していただいた①この方を」を切り捨てて、如何にも差別主義者のように仕立てているようにしか思えない。

 
しかも、私の知る限りどのマスコミも同じような切り口である。異を唱えるマスコミは皆無であるように思われる。また、私が感じたと同じように、総理大臣の目が消えたとも…。

 これについてはマスコミだけでなく私も反省することもある。なぜなら、上川氏は一度も自民党の首班指名に立候補したことはない。また、彼女自身がそれを目指しているとも言っていない。麻生氏の「このおばさんやるね」の発言で総理候補のように見られただけである。

 
この件だけでなくどんどんマスコミの進む方向性が良くない方へ進んで行っているように思われる。先ごろ問題になった「いなば食品」の問題についても、大きな問題に関わらず一時期だけ報道して、新しい問題-例えば、いなば社長が転職希望者に恫喝メール問題など-に頬被り(ほおかむり)をしているなど…。

 TV局の収入はコマーシャルに依存しているので、
多額のコマーシャルを流す企業については切り込み難いことは重々承知しているが、こういうことを繰り返して行えば消費者の信頼を落とすだけである。

 幸いにも私は毎週週刊文春を40年以上購読しているので、他のマスコミが報道しない事件を知り得るが、多くの人はそれらを知ることもなく生きることにもなりかねない。ネットで知ることも可能だが、一部ではガセの書き込みも見られるために、それを文字通り全面的に信頼できるかには疑問詞がつく。

 
ある全国紙を多い時は5部取っていたが、購入する価値を感じなくなったのですべて止めた。厳しい表現をすれば、金まで払って洗脳されることはないからだ。今はカープ情報を詳しく書いてくれる中国新聞だけになっている。マスコミは今一度原点に立って欲しいと願うのは私一人であろうか?

2024年06月