「ジャニーズ児童性的虐待事件」 バックナンバー
ジャニーズの創業者の児童性的虐待の問題がついに国連の調査まで広がった。30年以上もずっと週刊文春を購入しているので、性的虐待問題は週刊文春が何年も前に報じていた。しかし、報道する大手マスコミは皆無であった。
TV、雑誌で視聴率、発行部数を上げるためにはジャニーズ事務所のタレントを使うのが手っ取り早い。逆に彼らを使わなければ、視聴率、発行部数が伸びない。そのためジャニーズ事務所に配慮せざるを得なかったのが、大きな理由の一つであろうことは素人目にも分かる。
児童性的虐待を報じた週刊文春をジャニーズ事務所は訴えた。しかし、裁判の結果、性的虐待は事実として認定された。しかしなおマスコミはそれを報道しなかった。週刊文春の多くの読者はマスコミにおけるジャニーズ事務所の依存度の高さを再認識させられたのではないか。
ところが、イギリスの国営放送が性的虐待を取り上げた。それでもなお日本のマスコミは大々的に取り上げることはなかった。一部のマスコミは報道したが、明らかに腰が引けているように感じられた。欧米諸国では児童への性的虐待は大きな問題である。ところが、日本にはそれを規制する法律は整備されていない。
おそらく日本では、そういう忌まわしい事件は起こらないとの想定に立脚していたのではないだろうか?そのため法整備をしていなかった政治家ばかりを責めるわけにはいかないだろう。政治家だけでなく多くの国民の社会的な通念だったとも思う。
話は前後するが、この問題が大手マスコミでも少しずつ取り上げられるようになったきっかけは、イギリスの国営放送だけではない。SMAPの独立問題で、独占禁止法の疑いがあると公正取引委員会が「注意」したとのNHKが報じたこともその理由ではないだろうか?
どういうことか?SMAPの一部が独立し、独立した彼らは一時期は地上波から消えたが、徐々に地上波に戻ってきた。それだけでなく歯が抜けるようにジャニーズ事務所を去るタレントが増えた。
これはジャニーズ事務所に所属していなくても「大丈夫!」と考えるタレントの増加を示している。特に「滝沢秀明」氏の独立以降、雪崩を打ってジャニーズ事務所を去るタレントの多さには、芸能関係についてほとんど知識のない私にも分かる程である。
つまり、圧倒的な力を持っていたジャニーズ事務所の力が、以前と比べると相対的に落ちたということだろう。そのため大手マスコミの気の遣い方も、以前と比べると下がったのではないだろうか?
ジャニーズ事務所に限ったことではない。今回はジャニーズ事務所が標的にされたが、芸能関係だけでなく、一般社会にも存在するのではないかとの疑念を持たざるを得ない。今までの日本の社会通念を改める時期がきているのではないか?
今回顔と実名を出して声を上げた人たちの記者会見を見るにつけ、それらの問題を厳しく規制する法整備を急がなければならない、と多くの国民が強く認識させられたのではないかと思う昨今である。
2023年08月