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 数学の指導順序を変える中学に物申す  バックナンバー

 数学の指導する順序を大幅に変える中学校がある。その中学校では中1では正負の計算と図形を交互に指導、中2でも方程式と確率を交互に指導している。中3でも統計の指導の順序を変えている。

 
昨年9月(2020年9月)に、このコラムでなぜ生徒の負担を大きくするのかと指摘をした。つまり、生徒にとっては同時に両方の知識を吸収する必要があるからだ。特別な理由があるのか知りたかったが、その理由が判明

 
生徒に過剰な負担をかけ、吸収率を落としてまでそうする理由は、何と塾対策だった。「塾に行っている生徒と行ってない生徒の差が少なるように順序を変える」とその中学校の数学の教師が説明したという。教科書の最後の単元を早い時期にすると塾が対応できないと、その学校の数学の教師は本気で考えているようだ。

 
教師が最もしなければならないことは、自分の指導する生徒たちがより理解できる方法を模索することである。塾対策が最優先などとんでもない発想である。彼らにとっては自分たちが考える「公平さ」がすべてに優先するのであろう。

 他塾のことは詳しく知らないが、現在の多くの塾は自習システムである。授業をまともにできる人材の確保のためには高い人件費が必要である。そのため答え合わせの自習システムを採用しているのである。

 逆に言えば、自習システムであればどこの単元からでも勉強できるようになっているのではないか。
万一、対応できない塾があったとしても、1年を通して見れば全体として大きな影響はない。目先の塾対策しか見えない、換言すれば全体を見通せない知恵、いわゆるサル知恵としか思えない。

 淳風塾で言えば、授業で押し込むオーソドックスな指導方法であるが、
定期対策はどんな単元でも対応できる。補習授業をすれば良いだけの話である。実際、淳風塾では何も困ってはいない。ずっと補習で対策を行い、多くの生徒が高得点を取ってきた。今回の定期テストも対応はバッチリ。今回もかなりの高得点が確保できるだろう。

 この順序入れ替え授業の仕組みは、その学校全体のシステムなので1人の教師の独断ではない。数学教師の合意だろう。さらに彼らは「自分たちは塾に通っていない生徒に対して良いことをしている」と自負していると考えているだろうと、私は推測している。

 しかし、生徒に負担をかけることにより吸収力を削ぐ方式が正しいと言えるであろうか?
塾に行っている人と行ってない人との学力の差を埋めるのであれば、学校の教師が塾の代わりに補習をすれば良いだけの話である。

 塾に行ってない人にはそれぞれの事情がある。部活の問題、家庭の問題、本人の勉強にたいする姿勢など、その原因は多岐に渡るが、
塾通いをしていない生徒で補習を希望する生徒に補習をしてあげれば、公平さは確保できる。

 
彼らの考える「公平さを確保」するために、すべての生徒に負担を強いて吸収率を下げる方法はまさに本末転倒である。姑息な発想を止めて、あなた方の考える「公平さ」のために無料補習してはどうですか?淳風塾は無料補習で対応している。


2021年10月