株価は早晩暴落する?? バックナンバー
どうも不思議でならないことがある。それは株価である。世界的なコロナ不況の真っ最中であるに関わらず高い水準に留まっている。日本の日経平均は3万円に届こうとする勢いである。
このコロナ不況はリーマンショックよりはるかに大きい。実際問題として、企業の倒産数、廃業数も増えている。誰が考えても不況そのものであるに関わらず、まるで好況のような株価の動きである。
株価は半年後の景気動向を示していると言われるが、2020年の3月18日に日経平均16358円に下落してからずっと上がり調子である。現在の日経平均は30年ぶりの高値の28000円を突破している。
株価だけを見れば、日本経済は30年来の好景気のようだ。しかし、誰が考えてもそうは思えない。医療関係グッズ産業を除く、あらゆる業種が不況で苦しんでいる。景気が一気に上昇した半年先が待ち受けているとは到底思われない。
にも関わらずなぜ株価はあがるのだろう?その大きな理由の一つは、「株価はもっと上がる」という投資家の思い込みである。投資家の多くが「株価は上がる」と考えれば株価は上がる。逆に「株価は下がる」と考えれば下がる。
よく例えられるのがヤフーである。200万円の売り出し値から、ITバブルの時期の2000年2月には何と1億6千万円超えを記録したが、ITバブルがはじけた2002年4月には188万円まで下落したのである。
企業の価値が2,3年でそれほど激変するとは思われない。投資家の思惑以外の何物でもない。投資家という言葉を使ったが、彼らは投機家である。
頑張って欲しいと期待する会社とか、その考え方に共感する会社の株を買うのが投資で、今日買って明日売るのは投機である。換言すればギャンブルそのものである。
実は私もヘソクリで株を買ったことがある。リーマンショックの直後に株価が一気に下落した時期である。日本を代表するトヨタ、三菱自動車、取引のある愛媛銀行、ワン君を飼っていたので動物関連商品の会社など、頑張って欲しい会社の株を買った。もちろん、頑張って欲しい会社なので売買をせずにずっと持っていた。(ワン君がガンになっていくらお金が掛かるか分からないときに全部売った)
証券会社の営業マンから「この株がお勧め」と色んな株の紹介を受けたが、私は決してその話には乗らなかった。証券会社の思惑が感じられ、証券会社の売りたい株を営業に売らせようとしているのはミエミエだったから。
証券会社に就職している卒業生もいるので言い辛いことだが、証券会社の営業マンのセールストークは決まっている。株が上がっている時には「いま、株が上がっています。いまがチャンスです」。株が下がっている時には、「いま、株が下がっています。いまがチャンスです」。彼らに言わせればいつもチャンスである。
銀行も株を扱えるようになった。しかし、彼らの利益は「株の保管料」である。株価が上がろうと、下がろうと銀行には何の影響もない。その保管料(預かり料)で利益を得ているのだから…。例えば200万円で銀行で株を買ったとする。株価が2割下がったときに2割減の160万円残っていると思っていたら、もっと減っているのに驚くだろう。なぜなら、銀行の保管料が上乗せされているから。
「プロだから安心」させるようなトークは決して信じない方が良い。株が上がり調子の時期にはプロも素人も儲かり、下がり時期にはプロも素人も損をするものだ。あのプロ中のプロであるリーマンでさえ倒産したのである。
話が少しずれたが、安易に株に手を出してはいけない。万一、株を買う時は自分の期待する会社の株を証券会社で買うことをお勧めする。そして売買を繰り返さないことだ。売買を繰り返せば繰り返すほどドツボにはまるのがオチであろう。
現在の株価は異常である。政府が70兆円を超える経済対策を行って、金余りが株価に片影しているのであろうが、実体経済とこれだけ格差があれば、いつか暴落しても不思議ではない。ゆめゆめご油断めさえるな!
2021年02月