新型コロナの勉強への影響の大きさ バックナンバー
新型コロナ対策で学校が長期間休みなったことが、子供たちの勉強にかなり大きな影響を与えている。約3か月に及ぶ休校にも関わらず、文部省指導要領の内容を指導をしなければならないからだ。
それだけではない。前学年の内容で終わっていなかった内容もそれに加わる。来年から中学校は指導要領の変更があるので、少しだけ来年度に持ち越しできる個所があるが、全体としては決して多くはない。むしろ、全体に影響を与える量ではない。
ある中学の生徒によれば、「受験の時に勉強してね」と言ってほとんど指導しない前学年の単元もあると聞く。物理的に時間の制約があるため、何かを犠牲にしなければならないので一概に責められない。しかし、それが自分の子供だったら同じように言えるだろうか?
授業数の減少は、教師にとっては大変厳しいことは重々承知している。しかし、工夫をすれば決してどうにもならない減少時間ではない。はなはだおこがましいが、淳風塾で言えば、中3理科は週2時限で指導している。単元の重要事項をコンパクトにまとめて、それを徹底的に理解させ覚えさせるのである。学校の授業数の約半分で可能である。
「指導時間が減って大変!」と嘆くより、どうしたらそれをカバーできるのかを工夫すること方が大切ではないのか!相手が自分の子供だったら、何らかの工夫をして指導するだろう。
中学校だけではない。高校ではさらに恐ろしいことが起こっている。新型コロナ対策でネット配信していた学校では、当該学年で学ぶ内容の約半分近くが終わっている。具体的に言えば、英語で10課中4課がすでに終わり、今は5課の授業を受けているという。10課中5課とは1学年で学ぶ内容を約5か月間で終わるスピードである。まさに中学と逆現象である。
ネット配信のために、生徒が理解しているか、そうでないかの表情を見ての確認ができないため、どんどん進んだのであろう。どのような配信の仕方をしたのかを確認していないため細かな授業内容はしる由もないが、生徒とのやり取りもできなかったのではないかとの想像は難くない。
淳風塾も1時期ネット配信した。相互通信のシステムを使ったので、相手の顔は見えるが何かが違う。授業のリズムが取れないのだ。どういうことか。淳風塾ではその生徒が重要事項を覚えていないと感じたら、徹底的その生徒に質問を繰り返す。
例えば、円の面積の公式を覚えていないと分かったら、1,2分ごとに「円の面積は?」と質問するのである。1,2分毎というのは、中に「三角形の面積は?」などの質問を挿入するからである。
面と向かって質問するのと、画面を通じての質問とはかなり違う。直接質問する場合は、生徒の細かな表情で、「これ以上質問すれば、生徒が勉強を嫌がるか否か」が明らかに分かる。画面を通じたのでは微妙な表情の変化は分からない。
新型コロナは、基本的には風邪の一種であると認識している。そうであるなら第二波は秋口にやってくると私は思っている。また、ネット配信をしなければならない状況に追い込まれる可能性は十分考えられる。ネット配信でも直接指導に近い授業ができる方法はないだろうか?
2020年07月