新型コロナウイルスとの闘い バックナンバー
2020年1月から大変な病気が世界に広がっている。中国の武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染症である。3月27日現在で世界の感染者数が53万人にも達している。中でもアメリカは発生源の中国の感染者数8万1782人、爆発的な感染者数を記録したイタリアの8万589人を抜いて8万5653人の記録的増加となった。
感染者数の増加は死者数の増加を伴っている。イタリアでは約八千人、スペインでは約四千人もの人が新型コロナによって命を奪われている。どの国もそれぞれの国の指導者が「ウイルスとの戦争」とまでの位置付けをしている。
日本経済新聞によれば3月27日現在で、世界全体で22687人の死者が出ている。戦争と称される所以である。新情報をネットで検索するたびにその数は増加の一途を辿る。
このウイルスが他のそれと比べて怖いところはどこだろう?第一に大半の人は感染していても自覚症状がなく、普段の生活ができるところである。逆に言えば、自覚なくて周りの人に病気をうつすところである。自覚症状がないので自分が感染者とは思いもよらない。
現在新たに感染した人の分析をすると、濃厚接触とか海外旅行経験のない、つまり感染経路不明の人が増えつつある。これは感染者が自覚のないまま誰かに感染させていることを示している。
第二に怖いのは新型ウイルスへの感染力の大きさである。あれほど騒がれたSARSが約八千人、MERSは約二千五百人に過ぎない。それに対して新型コロナは前述のように桁違いの感染力である。
第三にこの病気に対するワクチンが開発されていないことである。今まで使っていた薬の中で効果のあるものがいくつか見つかりつつあるのは朗報だが、専用のワクチン、薬が開発できるまでは世界の不安は消えないだろう。
実際、いくつかの国では厳しい戒厳令が敷かれている。TV報道によれば大都市がまるでゴーストタウンの様相を呈している。そのため日常生活に支障をきたしたり、極度のフラストレーションが溜まっているのがTV画面から明らかに感じられる。
日本もその例外ではない。東京都の都知事が警告を発しているのは単なる脅しとは思われない。感染者数が日に日に増えている。それだけでなく前述の感染源不明の感染者の増加は、想像以上に身の周りに感染者がいることを証明している。
経済にも致命的な影響を与えている。人が動かないことは消費が減るということだ。それはあらゆる業種に及ぶだろう。全世界が手をこまねいているわけではない。あらゆる経済的な支援、対策を練っている。しかし、私の想像では一時の経済的効果はあろうが、焼け石に水のような状況になることも考えられる。
すなわち、世界の経済は未曽有の不況に陥ることは想像に難くない。しかし、決して忘れてならないことがある。たとえ経済がガタガタになろうとも、命以上に大切なものはない。経済は生きていくうえで極めて重要な要素・要因であることは誰もが否定できないだろうが、それは生きているという前提に立脚したものである。
たとえ焼け石に水であろうとも、世界の指導者がコロナウイルスによって生活基盤が危うくなった人々に全力を挙げて支援をして欲しい。長い戦いになろうとも、人類は英知によってこの感染症に勝つことができる。世界の科学者が遠くない日に、ワクチンを開発するに違いない。
そして世界の人々が力を合わせて新型コロナに勝利した暁には経済は必ず回復する。しかもV字回復するに違いない。その日を信じて、お互いに耐えようではありませんか!
2020年04月