「ミシュランガイド広島・愛媛版」 バックナンバー
ミシュランガイド広島・愛媛版が2018年4月に発売された。予想した通り約3分の1のお店の星がなくなった。星を失ったお店は、おそらくその理由が思い当たらないだろうと思われる。今まで通りの素材で今まで通りの料理で、今まで通りの接客で提供したのではないかと思われる。
広島だけで言えば、「ネットの情報(私は購入しないので)」
2013年版:★★★が1店舗、★★が5店舗、★が24店舗 合計30店舗
2018年版:★★★が1店舗、★★が5店舗、★が30店舗 合計36店舗
内容で言えば、★3つの「なかしま」は変わらないが、★2つは同数の5店舗でも、店が入れ替わっている。前回と同じ店は「桃花庵」だけで、前回★1つだった「ヒロト」が2つに昇格、残りの3店舗は新しく★を獲得したお店である。
つまり、前回★2つだったうち4店舗が★1つに降格。さらに★1つだった10個の店舗が星を失っている。単純に言えば30店舗中14店舗が降格である。これに関しては私の想像を少し越えていた。
ところで、星の意味は何だろう。ミシュランによれば、三ツ星はそのために旅行する価値のある卓越した料理、二つ星は遠回りしても訪れたい料理、一つ星はそのカテゴリーで特に美味しい料理だそうだ。
どの表現も感覚的であり、客観的、係数的な表現ではない。例えば三ツ星の旅行とはどの程度の日程を想定したものだろうか?海外旅行なのか、国内程度のものか分からない。二つ星にしても遠回りとはどの程度の時間を想定しているのだろうか?
アイロニカルな表現をすれば、前回の一つ星の評価-つまり「そのカテゴリーで特に美味しい料理」-から5年の間にそうではなくなった、ということであろうか?私には5年間でそれほど料理の質が落ちるとは思われない。
ミシュランの調査員たちに「目隠しテスト」をすると、彼らは本当に判別可能なのだろうか?毎年恒例になっている「芸能人格付け」番組で、グルメと言われている芸能人でも間違いの連発。安物と高級品の区別すらできないのが実態である。
今回星が降格した14の店舗では、その理由が分からないのではないだろうか?調査員にしても、理由を聞けば、答えるには答えるだろうが、それが客観的に納得できる明確な理由かどうかは分からない。
飲食業界に大きな影響を及ぼすミシュランガイド。この本に全幅の信頼を置いている人もいるだろう。また、これだけでなく、食べログの評価に信頼を置いている人もいる。この両者は重なるのではなかろうか?うがった見方をすれば、何かの権威に頼りがちと言えないでもない。
2018年に降格したお店の“食べログでの評価”はどうなるのだろう?アナウンス効果があるのだろうか?ミシュランが発売されるたびに、右往左往させられる人たちもいる。一方では、ミシュラン本などまったく気にしない飲食業界の人もいる。中には調査員に苦言を呈する人も…。自分の料理に絶対的な自信があればこそ可能だろう。こういうときこそ、その人柄がモロにでると実感している昨今である。
2018年05月