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「南極の氷の解ける音は悠久の歴史の音」   バックナンバー

 2,3年前、知人から「南極の氷」を頂いたことがある。北極の氷は北海道に行けば手に入ることもあるだろう。実際「北極の氷で水割りを飲む場面」をTVで見た記憶がある。知床半島辺りの人たちは、流氷がやってくる時期には容易に手に入る。

 彼らはその氷で水割りをして飲むこともあるのだろうか?それともいつでも手に入るので、有り難味を感じてなく、冷蔵庫の氷と同じような感覚なのだろうか?また味はどうだろう?流氷がオホーツク海を漂っている間に、塩分が入らないだろうか?愚にもつかない疑問が次々湧き出る。

同様に、
南極大陸の氷も塩分が入ってないかと想像したが、まったくそれはなかった。それは私だけでなくお裾分けした行きつけのお医者さんも同じ疑問を持っていたようだ。考えてみれば、凍りやすいのは塩分の少ない水の方である。塩分濃度が濃いほど凍りにくいはず。

「南極の氷」の経験はまさしく奇跡に近い!北極の氷と違って、南極の氷はおそらく一生のうちでもう二度と手に入ることはないだろうから…。つまり特殊なルートがばければ入手できないからだ。

 製氷装置のなかった時代、
古代エジプトでは氷が金以上の価値があったとされる。氷が解けてしまわないうちに運ぶには、大掛かりな装置が必要で、エジプトの人々にとってはおとぎの国の物質に映っただろう。南極の氷を入手するのは、現代においても特殊な仕事でない限り、古代エジプトの人々に近いと言えるだろう。

 考えてみれば、
南極大陸の氷も冷蔵庫で作る氷も、水が冷えて固まったものであるから、根本的には違いがないはず。理科で学ぶ状態変化に過ぎない。もちろん、冷蔵庫で作る氷は水道水が固体になったものだから、カルキとか他の混ざり物が入ってはいる。

 余程の味覚の鋭い人でなければ、その味とにおいの違いは分からないだろう。なぜなら南極大陸の氷も冷蔵庫に入れておかなければ解けてしまうので、冷凍室に保管しておく。すると冷蔵庫のにおいが付着するから…。

 ただ、
南極大陸の氷と、冷蔵庫の中で作られた氷には明らかな相違がある。水の中に入れたときの音がまったく違うのだ。バチッ、バチッ、と高くて大きい音が出る。まるで悠久の地球の歴史を思わせるようにも感じる。

 何人かの知人にお裾分けしたけど、それらの人々は皆さん驚いていた。同じ氷に関わらずなぜ水の中で溶けるときの音がこれほど違うのだろうかと…。

 ほとんど飲めない私であるが、
ウイスキーの水割りを作り、地球の何億年の歴史を想像させる不思議な音色に耳を傾けた。何億年か前に水から氷になった己が、先祖帰りをするかのような音。生き物でない氷に生命があるかのような奇妙な錯覚にとらわれる。

 科学者はこれをどう説明するのだろうか?凍ったときの温度の違いによって、固体から液体に戻るときの温度の差が、そのようになるとでも説明するのだろうか?

 ただ、悠久の歴史を感じながら耳を澄ませればいいものを、アレコレと考える中途半端な自分自身を改めて感じたできごとだった。あ~あ…。




2017年11月