またまた「食べログ」に疑問符 バックナンバー
ネットで食べたい店を探すとき、多くの人が利用する食べログ。これは店を利用した人が感想を書き、星の数で評価する(5点満点)。この星の数が3.5以上か否かで売り上げが大きく左右される。
星の数を増やすために、金を払って業者に依頼する店が現れた。これが「食べログ」が世間を騒がせた最初の社会問題である。
続いて週間文春が、食べログを運営する「カカクコム」自身の問題を暴露した。このときの問題は、「カカクコム」に広告を載せるかどうかで星の数が上下するという指摘だった。
実際、「食べログ」のレビュアー(投稿者)の星の数の平均と食べログの星の数が明らかに違っている。本来「食べログ」の星の数はレビュアーによって成り立っているのだから、その平均値でなければならない。もちろん、レビュー数の多少による単純平均でないことは当然であるが…。
しかし、一体どんな計算式を使っているのだろうと疑問視せざるを得ない店がかなりある。つまり、投稿数の多いレビュアーのほとんどの人が高い評価をしているのに関わらず、基準の星の数である3.0のお店も多い。
カカクコムは「独自の計算式」で算出していると説明している。しかし、文春が指摘していたように、「カカクコムの代理店による評価点が左右しているのではないか」とある店の経営者が投稿して、ネット上で大騒ぎになった。
6月15日号でまたまた文春砲が炸裂!今度はカリスマレビュアーの「うどんが主食氏」。彼が高得点をつけた店は客が増加すると言われている。それが評判を呼び、飲食店にも影響力を持つようになった。
文春によれば、不定期の「アナとウドン」というテレビの冠番組さえあり、先月には「私が通うウマイ店100+80」を出版。さらに、彼のプロデュースのカップ麺「マルちゃん うどんが主食 讃岐風」が全国発売された。
彼がこれほどの影響力を持つようになったのも、すべては食べログに投稿してきた2000件近いレビューへの信頼があればこそ。しかし、陰ではその信頼を裏切るような行いがある-文春は次のように指摘する。
ステーキ店などを経営する飲食店オーナーから、高級銀座のクラブで接待を受けていた。彼はそのお店の書き込みに「ヤバいぞ!ウェス○―!」と題したレビューを書き、「私はここ以外ではステーキを食べたくありません」と絶賛し、4.8の高得点を与えている。
文春はさらに続ける。「うし○ろ」という焼肉点を展開する会社の社長とも親しくし、「ゴルフ接待や飲食店接待を受けている」という。まだある。焼鳥店を経営する会社からも接待。
逆のパターンもある。都内のある飲食店は、盛んに「自分がうどんが主食だ」とアピールする彼を特別扱いしなかった。すると、「食材がニセ物だ」とウソを書き、コメント欄に「やっつけて下さい」と他のレビュアーをあおる感想まで書かれたという。本来、食べログは悪口を書いてはならないルールになっているが…。
まさに今、「食べログ」の信頼性が揺らいでいる。それは「食べログ」が無制限の投稿者によって成り立っているという本質的な理由がある。また、「カカクコム」も営利企業であり、企業の利益を優先せざるを得ないという理由もある。
より根本的に言えば、「良い、悪い」の評価を自分で決められず、他人に頼る人の存在である。食は文化であり、その人の育った環境によって左右される。そのため味覚などは千差万別で、他人に決めてもらうような類の物ではない。
美味しい、不味いは誰が決める。良い店、悪い店は誰が決める。私が何度も指摘しているように、「それは誰でもない、アナタである」。この基本的な原点を今一度確認したいものである。
遡って塾の評価基準は何であろうか?
2017年07月