君は一斉指導派or個別指導派? バックナンバー
我々の業界で数が増加しているのは「個別指導」の形態である。指導経験がない経営者が、大学生を雇って指導を任せているタイプもある。つまり手軽に進出できる塾の形態である。
集団の一斉授業が良いか、個別指導が良いかなど、現実に存在する両者について、不毛な議論をするつもりはない。なぜならどちらも社会に存在している以上、それだけ社会的ニーズが存在すことを示している。つまり、机上の空論ではどうでも言えるが、それはあくまで机上の空論に過ぎないからだ。
私が良く例えに出す、うどんが好きか、ラーメンが好きかの議論とあまり変わらない。それぞれの形態にはそれぞれの長所と短所がある。
集団一斉授業の良さは、多くの場合年間のスケジュールを決めて、ほぼその計画通りに進める。そのために指導から落ち抜ける単元が一般的には存在しない。また、友達同士の競争の原理が働き、「負けたくない!」との気持ちから頑張る生徒も出る。
一方、個別指導はその生徒その生徒に合ったスピードで授業を進める。当該生徒に理解に合わせた速度と説明なので、授業内容が理解しやすい。ただ、個別指導と言っても実質的に集団指導の場合もある。一人の指導者が数人の生徒を回って見ている場合も個別指導と称している。しかし、厳密に言えば、これを個別指導と言えるかどうか、議論が分かれるかもしれない。
理想論で言えば、プロ中のプロが1対1で指導するのが、最も効果的だろう。学生アルバイトではなく、プロの指導者が、担当する生徒のレベルに合わせて問題を作成し解かせ、躓いているところを発見して、それを理解させ、さらによりアップした問題を作成してやらせる。他の業種と同様に、プロとアマチュアでの差は歴然としている。
これには当然高い経費がかかる。教師がサラリーマンと同じだけの収入を得るためには、支払い側にはかなり高額になる。おそらく一般には手が出ない金額である。実は当塾はそのシステムもある。広告でも表示しているが、週1回、月4回で7万円。
このシステムの効果は大きい。ある生徒は一斉授業を受講し、追加で数学の究極個別を受けた。その結果苦手な数学が大幅アップした。生徒も保護者も喜んでくれ、保護者はさらに理科の究極個別を要望されたが、あまりにも金額が大きくなるのでさすがにこれはお断りした。
ここで申し上げたいのは当塾の究極個別指導の効果の我田引水ではない。先に述べたように指導の形式の良し悪しの机上の空論でもない。
指導の形式の如何を問わず、誰が指導するかが最も重要である、当塾が教師を募集したとき、問題がまともに解けない応募者が結構いる。しかもその方が現役の塾教師である場合もある。厳しい表現をすれば淳風塾の生徒の学力以下の方もいる。条件は大卒と書いていても、中には大学を卒業していない方が応募する場合もある。実際、他の塾で応募の直前まで教師をしていたという。
他の塾に通っていた生徒が、「塾の先生の解けない問題があるたびに、『一緒に考えよう』」と言って逃げる」と盛んに訴えていた。このレベルの教師はもちろん問題外であるが、こういうレベルの塾教師も現にいるのも事実である。「塾に通っているから安心」は本当だろうか?
2017年03月