恋愛はどういう場合に成立するか?
恋愛はどういう場合に成立するか?恋を論ずるほど若くない私が論ずるのは口はばったいが、遠い昔を思い出しながら、少し論じてみたい。
誰かを好きになったら、相手も自然にこちらを好きになる。こんなことは決してあり得ない。それを相手に伝えてそれを行動に移す。
その場合、おそらく重要なことは「相手に興味を持つこと」であろう。見た目だけで、「好き、好き!」では相手はすぐに嫌になるに違いない。
どんなことに興味を持っているのか、何をすれば相手は喜ぶのか、何が嫌いなのかなど相手のことを必死に考え、そして行動することが必須条件ではないであろうか?
自分の都合と自分勝手な行動では決して恋は成立しない。自分が好きなのだから、相手の都合・思い・考え・興味など「そんなこと関係ない!」ではまとまる話もまとまらないのは当然である。
この行動パターンの奥底には、自分の興味、自分の欲望を満足させることのみしか頭にないのではないであろうか?
商売もまったく同じである。
ある業界で経営コンサルタントを呼んで話を聞いたことがあるという。そのコンサルタントが言うには「儲けたら絶対そのお金を抱え込もうとする人が多い。それではお客さんは長続きしない。その3分の1はお客さんに還元することが大切だ」と…。
彼の話には共感できる。私も小さいながら30年近く経営しているが、最近、ますますその傾向が強くなっているのではないかとさえ思う。
「自分の売り上げだけ」が営業マンの興味対象で、得意先の利益などまるで興味がない。それどころか、得意先そのものにさえ興味のない人もずいぶん増えている。とにかく売りたい、とにかく営業成績をあげたい、とにかく儲けたいだけである。
電話勧誘などその典型的なパターンである。飛び込みの営業なら、その会社の状況とか方向性とか狙いなど知って営業することが必須条件にも係わらず、一方的な話ばかりである。これでは「話を聞くこと」さえ嫌気がする。
どの経営者でもそうであろうが、決して暇を持て余してはいない。こちらに何の興味もない人の話を聞く、つまり、相手方のメリットだけに時間を割く意味がない。相手と自分を入れ替えて考えれば誰にでも分かる理屈である。
ずっと取引がある場合でも、まったく同じである。ホームページを見るのを厭う人がいる。さらに言えばホームページの存在さえ知らない人もいる。
また、取引先だけでなく、私は食べることが好きで色んなところに行くが、こちらのホームページを教えても決して見ない人も多い。それには少しも興味を示さず、興味のあるのは自分の儲けだけの経営者がいかに多いことか!
例え見たとしても、その興味対象は自分に関係した内容だけの人もいる。つまり、相手に興味はなく、興味があるのは「自分だけ」である。商売でいう「裏を返す」など彼らにとってはまるで対象外である。
昔から「持ちつ持たれつ」は商売の原則である。ところが、現在の多くは「持たれつ持たれつ」を当然のこととして望む商売人が増えている。
そういう場合、お客の足は少しずつ遠のくのは自明の理である。己自身への興味と儲けしかない人には人は寄ってこない。これは商いの原則ではないであろうか?まさに恋愛と同じで、己自身の満足しか興味のない人に誰も惚れてはくれないのではないであろうか?
2007年11月