錦織選手の強さの秘密! バックナンバー
テニスの錦織選手が日本人初のファイナル出場の快挙を成し遂げた。幼いときからアメリカに渡り、苦労の連続であったろうことは門外漢の私でも想像できる。実際いじめにもあったようだ。
加えてファイナルに出場している他のメンバーと比べて明らかに身長差があり、そのハンディはいかばかりだろう?そのハンディを感じさせないスピードとテクニックを身に着けている。さらに24歳とは思えない精神力を持っている。
ずっと素晴らしい進歩をしていた選手ではあったが、特に今年になって目覚しい躍進を遂げた。その最も大きな理由は、本人も言っているように、マイケル・チャンコーチとの出会いであろう。マイケル・チャンコーチは錦織選手に基本を徹底的にやらせたと聞く。
まるで中学生の初心者がやるような打ち返しを徹底的に繰り返した。実に単調な練習で、世界レベルの錦織選手にとっては耐えられない日もあったのではないだろうか?
その単調な打ち返しで、「このラケットのここで、この角度で、このスピードで返せば打球はどの位置に、どのスピードで落ちる」を正確に身体で覚えたのではないだろうか?
誰しも派手な練習、難しい打球の練習を行い勝ちではないだろうか?なぜなら難しい練習をやっていれば、何となく凄い練習をしたように感じ勝である。これはテニスだけに限ったことではない。
あの浅田真央選手もそうであった。トリプルアクセルの精度を上げるために、彼女のコーチも徹底的に基本の滑りを繰り返しやらせた。彼女もまた、「これで良いのだろうか?」という自問自答の日々があったろうと想像する。
しかし、その基礎練習が彼女を1ランク上のレベルに押し上げた。トリプルアクセルという高難易度のジャンプを可能にするには、無理のない軽快な滑りが必要であったのだ。つまり、基礎的練習の反復が必要不可欠な要素だったのである。
振り返って、勉強はどうであろうか?同じように難しい問題をやっていると、何となく「凄い勉強をした」ような気になる。しかし、本当に大きく伸びるためには、基礎を固めずして伸びるものではない。
淳風塾は創業以来、徹底的に基礎を大切に繰り返す指導方法をとってきた。単に定期試験だけなら、どういう方法を取ろうとある程度は誤魔化しが効く。しかし、長期的に伸びるためには徹底した基礎固めが必要である。
それぞれの単元で、覚えなければならない事項はオリジナルの「コンパクトな単元別まとめ」で覚えさせ、ロジックの必要な事項については、その原理・原則を徹底的に理解させる手法である。学年が上がるにつれて、曖昧な理解と淳風塾のそれでは明らかな違いが出る。
スポーツも勉強もお手軽に身につくものではない。コツコツと地道に、しかも着実に基本を何度も繰り返して積み上げていくしか方法はない。今までの淳風塾の手法が正しかったことを再認識している昨今である。
2014年11月