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 岡山県 倉敷市少女誘拐事件     バックナンバー

 倉敷の11歳少女誘拐事件は世間の耳目を引いた。何とも言えないおぞましい事件であった。マスコミ報道で、その事件の詳細が明らかになるにつれて、もはや言葉を失う。

 49歳の男が11歳の少女に一目ぼれして、誘拐を計画した。そのため800万円もかけて自宅の改造まで行い、誘拐された少女の存在を一目に触れさせないようにしていた。加えて防音を施し、窓一つない部屋を準備していたという。

 マスコミ報道によれば、警察が張り込んだ時、こともあろうに「私の妻です」と紹介したという。本人にとってはそれが本心であろうが、もはや正常の域をはるかに越えている。

 ロリコンとか変態と片付ければ、それで終りだけれども、この事件だけではなく、
社会全体に性的嗜好の許容範囲が広くなっている風土が存在しているように感じられてならない。

 民主主義の発展は自由をもたらした。性についても14,5年前は口にできなかった言葉も最近は「SかM」など平気で日常的に、しかも中高生までも口にできる時代になった。キリスト教的考え方が広まる以前は、性に関して大らかな国民ではあったが、
越えてはならない一線を越えつつある時代になっている。

 それは
一般の社会だけでなく、子どもを預かる教育現場にも一部その風潮が及んでいる。教育現場における事件の背景にもそういう背景があるのではないか?

 
事実、少女に対する条例違反で現役の教師が逮捕される事件が後を絶たない。おそらく逮捕まで至った事件になっているのは氷山の一角に過ぎまい。表面化してないのはその数倍に達する可能性さえある。

 全国公立中学校で2012年に懲戒免職処分になった教員は206人、その理由のトップを占めるのが「わいせつ行為など」で119人。

 これはまったくの他人事ではない。身近な事件も数年前に起きている。2010に起きた東温市の中学校で起きた暴行・わいせつ事件。2012年には松山市立中学教師が中学生への強制わいせつ行為で逮捕された事件。広島県でも竹原市で起きた小学校教師のわいせつ事件がある。

 なぜこういう事件が後をたたないのであろうか?「成人女性に接することを恐がる」男性の増加という説がある。それも一理あるかもしれない。しかし、どうもそれだけで片付けられるとは思われない。

 
これは性癖ではないだろうか?性癖は当然ではあるが千差万別で、味覚と同じように個々人で異なっている。そのためどの時代でもロリコンの男は一定の割合でいる。歴史的にもロリコンと見受けられる権力者もいた。平均寿命の短い時代であるので「ロリコン」の年齢設定が現在のそれとは違うけれども…。

 「ロリコン」の語源の小説のモデルもいると聞く。有名な喜劇俳優だとの説である。実際彼は10代の女性との複数の結婚暦がある。21世紀の現在においても、少女と結婚を実質的に認めている地域もあるようだ。わが国でも16歳以上の少女の結婚は認められている。

 しかし、
ロリコンは単なる性癖では済まされない。重大な犯罪であるが、ロリコンに近い言葉を口にしても、現在の社会は個人の性的嗜好として見過ごされる時代になりつつあるのではないだろうか?つまり、前述のように、社会の性的な許容限度が広くなりつつあるよう思われる。

 
社会には超えてはならない一線が存在する。性的嗜好は個々人により多種多様であるのは間違いない事実である。そのためロリコンも、おそらくいつの時代にも一定の割合で存在し、根が深いのも事実だろう。

 だからといって、
ロリコンは単なる性的嗜好では決して許されるものではない。性的嗜好ゆえ、根絶は極めて困難だろう。しかし、それを許さぬ社会の醸成と、早期発見して早期に対応するしか減少させる手段はないかもしれない。今回の誘拐事件でもその予兆はあったという。未然に防ぐ対処方法があったかもしれない。

2014年08月