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 兵庫県 県会議員の記者会見        バックナンバー

 兵庫県会議員の野○村氏の記者会見には驚いた。政務調査費の使い方の説明が、何を言っているのか意味不明で、泣き喚いている姿だけが強く印象に残った。その場面の映像だけを繰り返し繰り返し、TVは取り上げている。

 国内だけでなく、海外にもその映像は流れたらしい。おそらく世界の人々が驚いたに違いない。こういうと語弊があるけれども、まさしくマスコミ受けする記者会見だった。

 目的の政務調査費の話をそらすために、
泣き叫んで己の主張を繰り返す、似たような姿は誰もがどこかでときどき目にする様子ではないだろうか?そうです、駄々をこねる子どもにときどき見られる光景である。泣き叫ぶことによって、自分の主張を通すために、話の本題から目をそらす方法である。

 実際、その場で政務調査費の追求をした記者は居なかったようだ。誰もが唖然としたのだろう。まさか、県会議員たる者がそういう子どものような行動を起こすとは想像を超えたのだろう。まさに虚を衝かれた感じである。

 そういう意味では、彼の泣き叫んだ記者会見は一定の成功を収めたと言えるかもしれない。しかし、子どもの駄々をこねるのとは違っていて、具体的な調査をしてウソを暴き、後々トコトン追求されるとは想定外だったのではないだろうか?それとも、そのときだけ上手く切り抜ければ良いと考えていたのだろうか?

 
宿題をしてなかったり、漢字を覚えてなくて居残りで覚えさせるとき、彼と同じように泣き叫んでそれを逃れようとする子もいる。おそらく声を上げて泣けば許されると思っているからであろう。もちろん、多くの生徒は自らの非を認め、諦めて居残ってやって帰る。

また、やってない言い訳を手を変え品を変える子もいる。「よくそんなことが思いつくなぁ」とこちらが感心することもある。

 それはどこから生じるのだろう。私が思うに、
そういう経験の繰り返しがあったのではないか。野○○氏の育ち方を私は知らないので、単なる一般論で言えば「泣き叫べば許される」ことを身体で覚えているのであろう。

 
こういう繰り返しをしていると、子どもは家庭内だけでなく、どこでもそれが通用すると思い込む。苦しいことから逃れられる、最高の手段だと身についてしまうのだろう。

 最近は、
そういう子は男の子に多いように感じる。「男は男らしく」という考え方が古い考え方となり、むしろ性差別として、間違った考え方という思想が主流となった時代背景がある。

 その考え方は決して間違ってはいない。むしろ、男女の差別化を是正するためには必要であると思う。しかし、そういう原因・理由だけではないように思われてならない。

 これは
私の勝手な想像かもしれないが、どうも母親が男の子には優しすぎる傾向があるのではないか。母親が息子にまるで愛しい恋人のように接する面もあるのではないだろうか。

 実際、
そういう子の姉妹が「お母さんは私には厳しいのに○○を甘やかせている」、と指摘する場合が多い。おそらく本人にはその自覚はないだろう。しかし、無意識のうちに、息子と娘に接し方が違うのではないだろうか?

 
「良かれ」と思って接していることが、実は子どもを駄目にする場合がある。これからの時代は競争が激化し、現在よりはるかに厳しい時代になるだろうことは容易に想像できる。

 私がいつも指摘しているように、
子どもたちが自ら考え、自ら行動できるような大人にならなければ、生きていけない時代である。甘やかされて育つと将来に大きな禍根を残しかねない。今回の事件は私たちに多くの教訓を与えたと思うのだが…。

2014年07月