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 内申点を誤解していませんか?    バックナンバー

 「うちの子は学校の先生の受けがいいから、良い点をつけて貰える」。また、逆に「受けが悪いから良い点はもらえない」。内申点について、一部の保護者にはこのような誤解がある。

 内申点はそういう感覚的な問題ではなく、成績表である。5段階評価で9科目の合計点が、その年度の内申点である。つまり、成績表の「学年」と書いてあるところの評価がその年度の評価点である。

 5段階評価で9科目45点が1年間の内申点で、3年間で135点満点になる。広島、愛媛では入試における取り扱いが若干違う。それぞれの都道府県の考え方の相違であろう。

 愛媛県では内申点が募集人員の9割内に入っていないと、合格は極めて厳しい。つまり、内申点で第一段階の振り落としをするのである。ライン内に入れば、原則として入試の得点の上から合格者が決まる。それ以外の合格者については細かな計算式があるが、ここでは省略する。

  広島県では、各学校によって若干異なるが、基本的には内申点の135点満点を130点満点に換算し、入試の得点を2で割り(250点満点なので125点)、その合計点によって合否の判定をする。

 どちらのシステムが優れているとは言えない。内申点が思わしくない生徒にとっては、逆転合格を狙いにくいのは愛媛方式と言えるだろう。つまり、一次選考によって足きりに近い形になるからである。

 しかし、広島方式でも、内申点が悪ければ大きなハンディを背負うのも事実である。例えば、内申点が90点の生徒が100点の生徒と対等になるためには、250点満点の入試で20点余計に取る必要がある。 学校の定期試験の100点満点に換算すれば40点のハンディで、例を挙げれば380点の生徒が420点取らなければならないことになる。しかも範囲の決まってない試験なので、さらにその難易度は増す。

 「中3になったら頑張るぞ!」と考えている生徒・保護者もいるだろう。もちろん、それで十分間に合う生徒がいる。一方、目指す学校受験に間に合わない生徒がいるのも事実である。実際、中3で入塾したために、内申点不足を学校でも指摘され、入試で高得点を獲得したに関わらず悲しい結果になった卒業生も多数いる。  

 小学校時代はその実態が分かりにくい。そのため生徒・保護者も生徒の力を正しく理解していない。しかし、実際には、小学校時代の基礎が出来ていないために、中学校に入ってから順位が明確になり、想像との落差に愕然とする人も多い。

 実際、40字程度の短い文でも何を書いているか正しく理解できない生徒とか、小数計算、分数計算がまともに出来ない生徒も多い。勉強は積み上げを必要とするので、基礎が出来ていなければ、中学校の内容を理解するのが苦しいのは自明の理である。

 子どものとき、しっかり遊ぶことは人間関係の構築において極めて重要な要素である。しかし、「よく学び、よく遊べ」という先人の言葉があるように、それらは両立しなければならないのではないだろうか?

 お手軽に学力は付くものではない。常に指摘しているように、スポーツとまったく同じである。普段の積み上げと基礎的な体力がなくてはスポーツも活躍が期待できないように、勉強もまったく同じである。

 「楽しくなければ 塾じゃない! 上がらなければ 塾じゃない!」をキャッチコピーとする淳風塾だからこそ敢えて言う。普段の絶え間ない地道な努力なしに、短期間にしかも安易に学力は付くことはない。また、1回、1回のテストの結果に一喜一憂しては、子どもたちは萎縮するだけである。

 順位は右肩上がりに上がり続けるものではない。ジグザグを繰り返しながら進むものである。本心では生徒・保護者が最もそのことを先刻御存じだろうが…。

2014年01月