定期試験対策いろいろ? バックナンバー
どの塾も定期試験対策を実施するようになった。保護者にとっては福音だろう。家でゴロゴロするより、塾に行けば一生懸命勉強すると安心するだろう。
しかし、その塾での実態をご存知だろうか?多くの塾ではセルフスタディ、つまり自習である。塾のプリントをするか、自分の持ってきた勉強をするかの違いはあるが、教師が指導するのではない。これなら家でするのとあまり違いはない。
実際、本格的な指導をするためには教師が1教室に2,3人は必要である。もちろん、1人でこなせる教師もいるだろうが、現実にはそういう塾教師が少ないのも事実である。中にはまともに問題の解けない教師もいる。
塾教師の募集をしたとき、現役の塾教師の応募があるが、その中にはまともに問題が解けない方も結構いる。淳風塾の生徒の方がはるかに学力があるという、笑えない場合さえある。こういう人に出会うと、この方は今まで塾でどんな授業をしていたのだろうかと、不信感を抱いてしまう。
そういう現実を考慮すると、学校ごとの定期対策をするためには、前述のように複数の教師が必要になってくる。仮に1人1万円の残業費を出すとすれば、1教室で2,3万円はかかる計算になる。大手で教室が多ければ多いほどその金額は大きくなる。
「塾=勉強している」はある面では成り立たない。それは生徒自身が最もよく分かっている。しかし、その実態を保護者は知らない方が多い。なぜなら、生徒は保護者にそのことを伝えない場合が多いからである。「塾=勉強している」との図式が、保護者の頭の中で固まっている場合もある。
厳しい保護者の目から逃れて、ゆったり、まったりしている生徒もいる。中には友達としゃべることを楽しみに塾に行っている生徒もいるようだ。それを注意する教師もいるが、教師の中には携帯とかスマートフォンで遊んでいる人もいると聞く。
自習する場合でも、単なる覚えれば済む内容なら効果はある。しかし、数学、英語、理科など原理が分からなければ解けない問題は、分からないまま答えを書き移しているに過ぎない。あるいは何となく問題用紙に向かっているだけである。
覚える科目と思われている英語に例を取ると、時制(現在形、過去形、未来形、現在進行形、過去進行形、現在完了形)、be動詞と一般動詞の使い方、助動詞の使い方、不定詞、比較級など多岐に渡る。 それらが組み合わされた問題を生徒に理解させるためには、その子はどこが理解できていないのかを的確に把握し、体系的に指導しなければならない。
単にプリントを大量にやっても理解できるものではない。 大量のプリント、大量の宿題をやらせることを喜ぶ保護者もいる。むしろ、そういう保護者が多いかも知れない。しかし、その基本・原理を理解することなく、わけの分からないまま問題をやらせれば、やらせるだけ勉強嫌いの生徒が生まれるのではないか?
保護者自身も小学校、中学校、高校の時代があった。そのときを振り返って欲しい。逆の立場に立てば(子ども時代を思い起こせば)、実感として理解していただけると思う。
保護者の年齢の教え子がいるが、彼らの子ども時代もまったく同じように言われていた。今一度繰り返せば、訳の分からないまま勉強を強いられたり、怒られたりして学力は上がっただろうか?やる気が出ただろうか?
2013年06月