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 携帯電話の落とし穴       バックナンバー

  携帯電話・スマートフォンなどの普及によってずいぶん便利になった。どこでもいつでも連絡が取れる。1軒に1台の電話しかなかった時代には、電話をするのを躊躇したものだ。なぜなら、直接相手が出る確率は低く、家族を通して変わってもらうことが多かったからである。

 今では、家族を通す必要はない。それどころか、相手がどんな状況でもまったく気を遣う必要はない。メールを送ればいいのだから…。相手は自分の都合のいいときに見て、その返事は都合のいい時に送ればいい。時・所をかまわず送ればいい、実に便利な道具である。

 ところが最近、その便利さを利用して、
歩きながら携帯に夢中をよく見る。自転車に乗って打っている人もいる。メールに夢中なのでメールに神経が集中し、周りの状況判断が当然鈍くなる。おそらく本人にはそういう自覚はないようだ。歩いていたり、自転車なのでスピードが遅いから安心という気持ちなのだろう。あるいはそういう自覚さえないかもしれない。

 
中には車を運転しながらメールをしている人も見かける。日本は国土が狭く、その上人口が多い。しかも、大半の人口が都会に集中している。そのため道路事情は勢い混雑する。こういう状況下では交通事故にあう確率は非常に高い

 自分の命と他人の命を懸けてまで急ぐ理由があるのだろうかと不思議でならない。私などウン十年生きているがそういう状況に出会ったことは一度もない。そういう場合にはメールなど悠長な方法を取らず間違いなく電話をかける。

 営業マンにとって時間の厳守は基本中の基本で、営業の仕事で得意先との待ち合わせ時間に遅れる場合は大きなマイナス要因になる。しかし、そういう場合でも
車を止めて電話をすれば事足りる。メールをする必要があるとは到底思えない。

 百歩譲っても、電話ならまだ音声だけなので、歩いている場合には前方に注意が行く。
メールの場合、目は携帯・スマホに向いていて周りへの注意は極めて散漫になる。曲がり角、交差点など危険な箇所が一杯ある。

 
メールをしながら車両を運転している人はまさに最悪である。一般道だけでなく、時には高速道路でメールしながら運転している人さえ見かける。前の車が何か変な運転に感じて追い越すと、メールをしながら運転しているではないか。これに出会うとゾッとさせられる。

 自分だけは大丈夫だと本人は感じているだろうが、後ろから見ると明らかに正常な運転ではない。自分だけが危険な目に合うのならまだしも、何の瑕疵(かし)もない、偶然にその場に出会った人まで重大な事故に巻き込むことになる。

 これほどまでにメールに夢中になる理由は何であろうか?子どもたちに聞くと、
友達の中にはメールの返事が遅れると、ひどく怒る人がいるようだ。そのためメールが届くと必死で返事をしなければ、場合によってはイジメの対象になるという。こうなれば携帯は便利なグッズではなく、むしろ友人関係を壊す機器になっている。

 他にも理由が考えられる。
一種の依存症である。携帯をいじってないと不安になるのではないだろうか?「ながら族」の延長線上と言えるかもしれない。音楽を聞きながら勉強する「ながら族」なら危険は及ばない。しかし、携帯をいじりながら歩く、運転するとでは同じ「ながら族」でも本質的に異なる。気づいた時には取り返しのつかない場合もある。

 
道路交通法違反で、高い罰金を払うだけならまだしも、命にかかわる重大な事故を起こしかねない危険な行為である。いかなる理由があろうとも、メールの「ながら族」は止めたいものである。 メール打つ 命をかけて 誰に打つ

2013年05月