マスコミは存在理由の原点に… バックナンバー
最近のマスコミ報道は「ン?」と思わせるものが多いような気がする。ごく最近連日のように報道されているのは「二股求婚」騒動である。大手テレビが連日に渡って、それも朝、昼、夜も必死になって報道するような重大な問題であろうか?私は俳優の名前さえ知らない。私だけでなく、中高年の多くは知らないのではないだろうか?
あの俳優が、万一、有名だけれども「ブサイクな男性」だったら、現在のように報道するであろうか。「結婚をしたくてもなかなかできない、かわいそうな男性」として報道するのではないだろうか?それとも「笑いのネタ」にされるだろうか?いずれにしてもバッシングされることはない。
実際、「動物系」と称して「七股交際」の女性タレントがテレビに出ているが、彼ほどバッシングされていない。むしろ、マスコミは面白がっている。彼女はそれをセールスポイントにしているようにしか思えない。
小沢報道しかり。裁判にかけられた犯罪は、「不動産売買の記入の1年遅れ」だけである。何か建設会社から裏金をもらっていたかのような錯覚をしている人が多いのではないか。どの政治家も日常的に修正で済んでいるのが、小沢氏だけが裁判にかけられた異常な裁判である。報道のポイントがズレていると言わざるを得ない。
前にも「単なるカンニング」を連日に渡って報道した。例のインターネットを使ったカンニング事件である。ことの本質はインターネットとカンニングペーパーの違いだけである。全国ネットで必死に報道するほどの重大な問題であろうか?
高校の先生が問題作成で、ミステリー仕立てにして教頭先生が犯人という問題も報道された。教科書会社が作成した問題を使う「やる気のない教師」と比べると、はるかにやる気があるだけでなく、そういうオリジナルの問題を作れるほど実力があるということだ。さらに言えば、ユーモアもある。
国際化と言われて久しい。国際化では、特にアメリカではユーモアの通じない「堅物=石頭」ではまったく通用しないのである。フロンティア精神とユーモアがアメリカ社会の精神的支柱であるから…。
覚えているだろうか?十数年前には、欠席した教師の代わりに授業した校長先生の報道もあった。「レはレモンのレ…」の替え歌で、「レは霊柩車のレ…」と歌ったのである。詳細は覚えていないが、これをマスコミは盛んに取り上げた。子どもたちはユーモアのある校長先生として、いつまでも記憶に残っているだろう。しかし、国際化社会に逆行したい?石頭の一部の保護者とマスコミが、校長先生に謝罪させた。ユーモアのかけらもない人は溜飲を下げたに違いない。
最近のマスコミはどこかポイントがズレている。そのため信頼性・必要性が薄らいでいる。実際、一人暮らしの若者が新聞を取っているのは皆無に等しい。テレビもますます視聴率が落ちている。
お笑いタレントに適当にしゃべらせるパターンが増えていて、見るに値しないだけでなく、見る気も起こらない。塾に通っている生徒たちの多くはYouTubeで情報を得ているようだ。最近、TV番組で盛んに話題に上がったのは「家政婦の三田」くらいであろうか?
マスコミは民主主義社会には必要不可欠だと私は思っている。しかし、現状のような状況が続けば、ますます社会的地位が落ちていくような気がしてならない。第四の権力が力を失う社会は決して健全な社会ではない。
2012年05月