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 美味しい・不味いは誰が決める??   バックナンバー

 ネットの「食べログ」にやらせ発覚。ネットにお店の情報(例えば料理の写真、接客など)と感想を書きこみ、それを5段階評価するシステムである。さらに、この感想と評価でお店の人気ランキングを決める。アクセス数が圧倒的に多く、このランキングとか感想、評価でお店を選ぶ人が結構いるようだ。

  ネットをやる人なら、お店を検索すれば、うんざりするほど出て来るので先刻ご存じだろう。これを悪用してお店と契約し、1か月○○円で請け負い、「お店をヨイショする情報」を書きこむ業者がいたのである。

 遅かれ早かれ、そういう輩が出現するとは思っていた。業者でなくても「食べログ」の書き込みには「?」と感じる内容が多々含まれている。私の知っているお店で、どう見ても悪いとは思われない接客について、悪口雑言を書かれたことがある。

 私の推測に過ぎないが、ライバル店とか繁盛していることを快く思わない人の書き込みではないかと思う。行ったことがあるのかさえ疑わしい書き込みもある。中にはフライパンを振る時の「表情が悪い」と書き込む人もいる。「坊主憎ければ袈裟まで憎い」の類である。何か気に障ったことがあったのだろう。

 700~800円前後の料理を「高い、安い」と言う人もいる。場所を借りて、人を雇って営業する。たとえ家族で営業していても利益を上げなければ生活できない。価格競争の時代に入り、「安さがセールスポイント」のお店もあるだろう。しかし、安さには理由がある。

 覚えているだろうか?あの「ミー○ホー○社」の社長が記者会見で言った言葉を…。「知ってもらいたい、安いには訳がある」。アンタが言うな!とは思ったが、その言葉には一理あると感じた人も多かっただろう。

 「材料を超える料理人はいない」という有名な料理人の言葉がある。ただし、「材料を生かすのも料理人しかいない」と続く。「良い材料」は決して安くない。「人件費」も安く上げようとすればするほど人材の質は下がり気味になる。逆に自分が経営することを考えると容易に想像できるはずである。

 マスコミ情報も全面的に信頼はできない。当然だろう、「悪口を承知」で取材を受けるお店はない。また、「悪口雑言」を情報として流せば、営業妨害で裁判沙汰になる恐れもある。 中には、「テレビでやった物に美味しいものはない」と、とんでもないことを言う人さえいる。それはあまりにもうがち過ぎの見方だろうが…。  

 そもそも美味しいとか不味いは本人の主観的感想であり、客観的な物差しではない。つまり、糖度○○、塩分何%のように数値化されたものではないということだ。接客が良い悪いも、ホール担当との相性もある。だからこそ好き勝手に書けるのである。

 味覚も運動神経、知能指数とまったく同じように判定可能で、その発達にも個々人の差がある。どのレベルの人がどれだけの経験を積んで書いたのか、そのバックボーンが分からない書き込みの信頼性は、一体どの程度なのだろうか?

 もう一度言おう。上手い不味いは誰が決める?接客が良い悪いは誰が決める?高い安いは誰が決める?それはアナタである。アナタ一人ひとりが決めることで、他人の書いたブログなどで左右されることではない。  塾選びもまったく同じ…。

2012年01月