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 塾で本当に学んでいるか?         バックナンバー

 この時期になると胸が痛む出会いがある。 いわゆる有名私立中に入れたいと願う保護者と、それに必死に応えようとする何人かの子どもたちが、刀折れ矢尽きて「勉強嫌い」「塾嫌い」になって、傷つきボロボロになって淳風塾にやってくる。

 「もうイヤだ!塾はコリゴリ」と身に沁みて感じているようだ。 一体、どういう勉強をさせたのだろうか? どの生徒もその答えは決まっている。
やたら長い指導時間。山のような宿題。そして、一部の「デキル生徒」のみを可愛がり、できない生徒は無視。中にはイジメに合った子どももいる。
 
 
何時間も集中力が続くはずがない。大人だって同じである。一日の大半を休日もなく働き続けると心身に異常をきたす。ましてや、年端のいかない子どもたちがボロボロになるのも当然である。これは、長時間指導を望む保護者と、これだけ長時間やっていると示したい、塾の思惑の一致がそうさせるのだろう。

 
山のような宿題に追われ、保護者の叱咤激励に耐え、塾の無視にもけなげに耐える11,12歳の子どもたちは見方によっては周りの大人たちの集団イジメにあっているようなものだ。

 10年の企業経験がある私に言わせると、
企業で役に立たない人材を育てているようなものだ。 他のすべてを犠牲にして勉強するのは、子どもたちの将来に大きな禍根を残すことを、大人たちは悟らなければなるまい。

 「○○塾は有名私学に何人合格させた。あの高校は有名大学に何人合格させた」と必死で情報を集め、我が子の一回ごとのテスト結果に熱くなり、一喜一憂を繰り返す保護者も多い。

 しかし、子育てが終わり冷静になったとき、「あれは何だったのだろう?」と、きっと反省するだろう。
子どもに期待するのは親心である。しかし、私が常に指摘するように、過剰な期待は子どもをダメにするだけでなく、親子関係さえ危うくなる。時折、マスコミを騒がせる親子のトラブルの一因となっていることを知って欲しい。

 たとえ希望校に合格したとしても、
そこで待ち受けているのはさらに過酷な競争である。企業に入っても、問題意識が少ないだけでなく、人間関係でも上手くいかないという、保護者が期待する結果と正反対の結果を生むことさえある。「知識があるが知恵のない社員」では、答えが1つではない企業の問題の解決ができない。

 「アナタのため言っているのよ」、と言いながら、実は「アナタの子どもは勉強が良くできる」と言われたいという保護者も少なからずいるように思われてならない。

 人間はその成長過程において、それぞれの時期に学ばなければならないことがある。自分で生きて行くために、自らの頭で考え、自ら行動し、自ら問題を解決する姿勢を身に着けさせることが、何より大切ではないだろうか? また、集団の中での遊びによって、他人との距離を覚えることが大切ではないだろうか?

 
対人関係が上手く構築できなければ、仕事などできるはずがない。それは子供のときから、集団の中で揉まれて身に着くのである。大人になってそれらを身に付けるのは至難の業である。

 もちろん、私は子育ての専門家ではないし、それに関する知識を持ち合わせてはいない。 しかし、傷ついて淳風塾にやってくる生徒を見るたびに、大人になった卒業生が塾に遊びに来るたびにその思いを強くしている。

2011年04月