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就職は単なる一里塚

今年就職をされる皆さん、就職活動は順調に進んでいますか?中にはすでに内定をもらった学生もいると思います。就職をするに当たって、皆さんは何を基準に選んでいるでしょうか?一昨年このコラムでも書きましたが、今回は少し違った面から書いてみたいと思います。

 仕事は言うまでもなく「食べていく糧」に必要なものです。それが第一義的でしょう。また、仕事は「自己実現」換言すれば、社会の中で自分を生かす手段でもあるのです。

 前回も書きましたように、「七五三」と言われて久しい現実があります。つまり、就職して三年以内に退職する割合です。中卒は七割、高卒は五割、大卒は三割も三年以内で退職するのです。その理由は多岐に渡るでしょうが、一言で言えば「面白くない」でしょうか?

 団塊の世代の大量退職の時期に重なった皆さん方は、現在三十歳前後の人たちと比べると隔世の感があります。彼らは就職の冬の時代で、就職するのがとても困難な時代でした。

 その頃がまるでウソのように、この一、二年は「売り手市場」になっています。「いい人材」を確保するために、少しでも就職内定の時期を早める企業も多々出ています。

 こういう時期に就職される皆さん方は、好むと好まざるに関わらずフリーターにならざるを得なかった、一昔前の人たちと比べると大変恵まれた状況にあるといえます。

 明るい未来を夢見る皆さんに「水を差す」ようで、誠に心苦しいのですが、喜んでばかりはいられない未来があるのも事実です。先程も申し上げたように、就職氷河の時期に入社人たちでさえ「七五三」という状況ですから、「八六四」も決してありえないことではありません。

 「釣った魚に餌はやらない」という言葉がありますが、入社した企業で待ち受けているのは激しい競争です。同期との競争だけでなく、先輩との競争、いずれ入社するであろう後輩との競争、それだけでなく、企業間の競争もあります。

 皆さんもご存知のように日本の人口は減少しています。人口が減少するということは、あらゆる分野で国内のパイが減ることを意味します。

 百貨店などの売り上げ統計をマスコミ報道で知る機会も多いでしょう。その報道は景気の影響を論じています。しかし、人口減がその根本的かつ継続的な理由であると思われます。

 この人口減はいずれあらゆる業種、業態に重くのしかかってくるでしょう。確かに一時期老人を対象とした業種のパイは増えるでしょうが、それも長く続くものではありません。

 加えて国際化です。国際化によって国際間の分業化がさらに進めば、日本の産業の空洞化はさらに進むことは間違いありません。また、当然のことではありますが、景気の波もあります。皆さんが働くであろう四十年余りには、何度も何度も景気の波にさらされることになります。

 皆さんはこういう厳しい競争社会の中に入るのです。先に私は「売り手市場」と申し上げました。売り手市場とは文字通り「売る方」が強い立場にあるということです。批判を承知で言えば、こういう時期には「実力以上の企業に入社」する人たちもかなり生まれるということになります。

 「いい会社に入った」ことは嬉しいでしょうが、いい会社ほど優秀な人材が多く、強い覚悟が必要なのです。逆に「いい会社に入れなかった人」は決して悩む必要などありません。なぜなら、自分では満足できないと思っていた会社だからこそ優秀な人材が少なく、活躍できる場があるという場合も考えられるからです。

 数十年前は「鉄は国家なり」という言葉があったように、重厚な産業が学生の人気の的でした。しかし、時代とともに社会状況は変化しています。時代は常に移るのです。現在の状況が変化しないことは絶対にありません。

 しかし、どういう時代に生きようと「自分を磨く」ことは必要です。また、それはどういう企業に入ろうと、生き抜くためには必要不可欠な条件なのです。「いい会社に入った」「いま一歩納得がいかない会社だ」と一喜一憂することなく、長い将来を見越して邁進されることを願ってやみません。人生すべからく「塞翁が馬」なのです。

2008年5月
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