いい塾って、どんな塾? バックナンバー
どの塾でも夏期講習会の華々しい広告が目に付く。それは有名校の合格者数であったり、目を見張る公立・県立の合格者数、あるいは、月謝の安さであったり、指導のきめ細かさであったりする。保護者の方は何を基準に塾選びをするのだろうか?
「何人の実績がありますか?」-保護者の質問で、ときどきあるのがこれです。淳風塾は何千人を擁する塾ではありません。小売業に例えると専門店です。大型スーパーではありません。そのため合格者数の多さを「売り」にはしていません。
合格者数に重きを置いて塾選びをされるなら大手塾が向いているでしょう。しかし、大勢の合格者の裏には逆に多くの不合格者数がいることも考えられます。表面上の合格者数だけで判断すると、思わぬ失敗を招く場合もあります。
一部の優秀な生徒に力を注ぎ、それ以外の生徒にはあまり力を入れないのが、多くの塾のやり方です。そして「○○大学○名合格!○○高校○名合格!」などと広告を打つのです。中には講習会だけ受けた生徒、ひどいところになると模擬試験だけしか受けていない生徒まで合格者数にカウントする塾さえあるようです。
淳風塾は創業以来、そういう塾とは一線を画してきました。どの塾でも「一人、一人を大切に」と謳っています。しかし、具体的に言えば、どのように「大切に」しているのでしょうか?指導している生徒の「理解していない箇所」を「一人、一人」教師が分かっているでしょうか?また、その生徒はどのような性格なので、どのように指導すればいいか把握しているでしょうか?
生徒によっては「厳しく接する」のがいい生徒、「ほめる」のがいい生徒、「ときどき不安にさせる」のがいい生徒、「安心感を与え続ける」のがいい生徒など、まさに十人十色です。教師がコロコロ変わったり、情熱のない教師にはそれを望むべくもありません。
ところで、塾教師と言えば「学力が全員ある」と世間では信じられています。しかし、実際には問題がまともに解けない教師がいるのも事実です。入社試験を受けに来る方の中には、現役の塾講師にも関わらず、生徒以下の学力の方もいます。
大学入試において、入試科目が減り、その上ゆとり教育の弊害もあり、国立大学を卒業していても、教科によっては「問題がまともに解けない教師」がいるのも事実です。中には、塾講師の募集に「高卒以上」と広告に堂々と掲載している塾もあります。「一人、一人を大切に」以前の問題さえ抱えている場合もあるのです。
さて、もう一つの「安さ」です。塾も当然のように費用はかかる。一般にその費用は人件費・家賃・設備費・広告代・一般管理費など、他業種と大きな違いはありません。違いと言えば人件費率が他業種と比較すると高いくらいでしょうか。
塾の費用を安くするには「人件費」「家賃」を下げる他はありません。換言すれば、「安さ」をセールスポイントにするためには「人件費」「家賃」を下げる以外に方法はないのです。もちろん、他の費用を下げることも可能であるが、全体から見ればそれほどの効果は望めません。
つまり、「塾の安さ」とは極言すれば「人件費の安さ」なのです。これは何を意味するでしょうか?本当に「腕のある教師」が破格に安い給与で働くでしょうか?消費者(保護者)にとって「安さ」は魅力です。しかし、昨今、「破格の弁当」が一部のマスコミに批判されているように、問題はないのでしょうか?特に塾は「お子さんの将来」にかかわる業種です。
淳風塾はひたすら、そして頑固にオーソドックスに進みたいと思う昨今です。
2010年07月