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 社会変化に対応するスーパーはどこ?  バックナンバー

 少子高齢社会によって家族構成が大きく変わっている。従来の夫婦と子ども2人の標準家庭が、今では少数派で、一人家族、あるいは二人家族が多数派を形成している。最近では料理に関して、雑誌でもTVでも料理の量は四人前から二人前が主流になりつつある。

 ところが、スーパーの生鮮食料品売り場では、現在も旧標準家庭を想定した量の販売をしている店が少なからずある。デフレが進行しつつある現在、単位量あたりの安さを演出するための手段としているのであろうか?それとも社会の変化に対応できず、今まで通り販売方法を踏襲しているのであろうか?

 確かにロットをまとめると単位量当たりは安くなる。しかし、決して絶対的な安さにはならない。なぜなら、少人数では一度に食べ切れず、傷みやすい野菜、魚類は腐らせて捨てざるを得ないことがよくある。これは私だけでなく、一人、二人家族では多くの人が感じているのではないだろうか?

 戦後の食糧難の時代を生きてきた者にとって、食べ物を捨てるなど許し難い。それが身体の中にしみ込んでいる。これは個々人だけの感性の問題ではない。国際的にとらえても少量不足で飢餓で死んでいく人々もいる。ごく一部の先進国だけが、食べ物を粗末にしていいのであろうか?

最近では、玉ネギ、ニンジン、ネギなどのばら売りを見かけるようにはなった。また、ピーマンなども少量のものも見かける。しかし、そういう店舗はまだまだ少数派である。それらはメインの副食にはならず、まとまった量を買った場合、腐らせず使い切るには、何日も同じものを食べ続けなければならないことになる。汎用性の高いものならまだしも、アスパラガス7,8本など後で困ることも多い。

冷凍しておけばいいではないかーそういう議論もあるだろう。勿体ないので、もちろんそうして可能な限り使うのは当然である。しかし、食料品は冷凍すればその食品自体が持つ味だけでなく栄養価も失うことになる。

何店舗も有する企業には優秀な社員が大勢いるに違いない。彼らは店舗エリアの家族構成の割合を分析していないのだろうか?と不審に思うことさえある。実際、スーパーのお客さんを見ると高齢者が多い店舗も意外に多い。明らかに子育てを終わった世代の顧客がメインと思われる店舗もある。それにも関わらず、四人家族が中心の販売方法を見直すことなく続けている店舗は逆に驚きである。日常の業務に追われて、今までのやり方を単に踏襲しているだけかもしれない。

また、この際率直に言えば、賞味期限切れの食糧を捨てる問題もある。日本全体では、一体どれだけの食糧を廃棄処分にしているのであろうか?賞味期限はあくまで賞味期限であり、腐って食べられないわけではない。先進的な考えを持つスーパーでは、それを明示して安く販売しているところもあると聞く。食糧自給率の向上が叫ばれている昨今、ちょっと工夫するだけで何%かの自給率の向上がはかられるのではないか。

世界の人口は増加の一途をたどっている。いつまでも日本が需要を満たすだけの輸入を確保できるとは思えない。ましてや、中国の発展に伴い、世界的な食糧価格の上昇は目前に迫っている。日本人の「もったいない」を今一度思い起こす時期にきている。

2010年04月