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 厳しい就職戦線は逆にチャンス?   バックナンバー

 今年の就職戦線は氷河期に逆戻りになっています。「大学はでたけれど…」-まるで戦後間もない頃のような厳しい状況を呈しています。しかし、当時は大学を出た者は「学士さん」とよばれ極めて小数派でした。

 大卒が過半数を越えた現在、「私は大学卒だ」「うちの子は大学卒だ」という前時代的な感覚を持った人は少ないでしょうが、現在でもそれに近い感覚を持った人もいるようです。特に有名大学卒の学生、その保護者の一部に残っているように思われます。

 大卒が極めて小数派のときは、大学卒というだけで企業では評価を受けました。しかし、身も蓋もない表現を使えば、「猫も杓子も大卒」の現在、それはまったく時代に合わない考え方です。

 ところで、保護者はお子さんと仕事の話をしたことがありますか?話したとしても「仕事は厳しいものだ」-こういう表面的な、仕事に対するマイナスのイメージの辛いことを話すだけではないでしょうか?それよりもっと深い話-つまり、仕事に対する考え方・思いをじっくり話してはどうでしょうか?

 仕事は本当に保護者にとって厳しく辛いだけでしょうか?本当にそういう職場で何十年も働いているとすれば、失礼ではありますが不幸というしかありません。また、稀にみる忍耐強い方でもありましょう。

 実際問題として、イヤでイヤでたまらないなら、ほとんどの人はその仕事その職を離れます。そうしなければ身体、精神が持ちません。体調を崩したり、ノイローゼになってしまいます。確かに楽な仕事はありません。しかし、その中に楽しさや、喜び、誇りなどがあるはずです。

 たとえば、スーパーのレジで働いている人には、異常にスピードの速い人がいます。おそらく彼女はそのことに誇りを持っているのではないでしょうか?また、とても親切で明るい人がいます。その人のレジにはお客さんが並びたがります。このようにどの職場でも、自分の仕事に対する誇り、喜びを持っているのではないでしょうか?

 つまり、「こんな仕事は嫌だ!」「こんな職場は嫌だ!」と感じていても、その仕事を続けているうちに、その仕事の楽しさ・喜びがあるはずです。最初から「天職」に就く人は逆に稀ではないでしょうか?

 前述のように現在は就職氷河期で、自分が望む企業以下の企業に就職する可能性が高いでしょう。しかし、逆にこういう時代だからこそチャンスなのです。希望する企業、あるいはそれ以上に企業に就職した場合は、その企業には人材が豊富で、あなたの出る幕がないかもしれません。

 企業の本音は採用者の1割が「使いもの」になればいいと思っています。私も10年の会社勤めの経験がありますが、入社教育でそのことを明言されました。

 希望する以下の企業に就職した人は、決して嘆く必要はありません。その企業に必要な能力以上の能力を持っている可能性があるからです。さらに言えば、現在は「寄らば大樹の陰」は通用しない社会です。大きいことが安心な時代ではありません。昨今の大企業の倒産がそれを如実に証明しています。

 ただ、ここで言っておかなければならないことがあります。やる気と問題意識のない人は企業では決して通用しません。それはどんな職場でも言えることです。社会は目まぐるしく変わっています。企業も変わらなければ生き残れません。

 やる気もなく、今の仕事を無難に消化している社員を企業は評価などしません。それよりも可能性のある新人を求めます。おそらくあなたが経営者でもそう考えるはずです。土地、建物が高いと言っても人件費ほど高いものはありません。生涯賃金を考えれば自明の理です。

 さらに言えば、大企業ほど歯車の1つにされ、逆に中小企業ほど経営に近いところに位置できる「やりがい」のあるポジションに立てる可能性が高いのです。人生は明日何が起こるか誰にもわかりません。

 厳しい氷河期に就職されるみなさんには「人生すべて塞翁が馬」という言葉を贈りたいと思います。

2010年02月

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